2016年4月11日月曜日

#13 女と男のいる舗道/ジャンリュックゴダール


この邦題気に入ってる。

冒頭のアンナが出てくるシーン。
テロップの後ろから見つめられるあのシーンで、
すでに、こう、ぐっとくるものが。

ゴダールだし、
結局、ゴダールの映画を観たんだなってな具合に落ち着くだけなのはわかりきったことで、
それでもなんとなく月曜の最終回早稲田松竹で観るゴダールはやはりそれとなく落ち着くものがある。

やはり音楽を鳴らしてダンスしているときの表情は可愛いけれど、
カフェで見知らぬおじさんとの哲学的会話をしているときも、
興味ないんだかなんだか、
あのニュアンスじみた感じ、それは素敵で。

言葉がなくてもいい、
言葉は時に人を裏切る、
その逆もある。

言葉はただの取り繕いで、
言葉にしてしまいが故に、
嘘になってしまったり。

言葉じゃなくて、
感覚で想いを伝えられたらどんなにいいのだろうか。

なんて思ったりするけれど、
人間だもの、
言葉にしないとね。

ラストはなんとも衝撃的で、
その一瞬の出来事のあとに、
画面が暗くなって
FIN
と3文字。

潔さたまらなくよかった。

#12 リップヴァンウィンクルの花嫁/岩井俊二


岩井俊二。
とりあえず、冒頭の音楽ですぐ懐かしくなって。

黒木華のもじもじっぷりに、
イライラしてみたり。
そういえば、この人あまり好きじゃないんだ、とか思い出してみたけれど、
イライラするってことは、
とっても演技が自然でうまいんだなって。

前半と後半で、
自分の中では別の映画だったりする。
安室の役割もなんだか変わったのか、
そう感じただけなのかは不明だけど、
(前半はサスペンス的な雰囲気も醸し出しつつ。)

なんか敵味方がわからないし、
その辺はスマホのアプリ上からリアルの出会いに見られるような、
まぁある意味現代を表してるといえばそれまで、かも。

Coccoの愛やら周りにうごめく小さな動物たちも持つ毒だったり、
純白のドレス、豪邸の中での自由さと死。

壮大なようなみじかな気もするし、
ふんふん、
なんとなくその辺の空気感が懐かしい。

でも残念ながら黒木華はなんだか好みじゃあなあい。

2016年3月27日日曜日

#11 オデッセイ/リドリー スコット


宇宙サバイバル術。
SFというより、やけにリアリティがあって、
将来役に立ったりするのかなとか思ったり。

宇宙で遭難するような題材はたくさん消費されてきたけれど、
こんなテーマ性は今までになかったから、新鮮だった。
その分宇宙やらなんやらSFに求めるワクワクさみたいなものが、
物足りなかったのも事実。

#10 オートマタ/ガベ イバニェス


ほぼ寝てしまた。
ロボットのローテクな感じ、
もう少し近未来的なデザインがよかったんじゃないかな、
とか思ったり。

掟にしばられているから、
派手に暴れたりすることがないが故、
ロボットたちの静かな抵抗心みたいなものが、
ちょっと怖かった。

2016年2月20日土曜日

#09 キャロル/ドットヘインズ



ケイトはもはやケイトであるからしてきっと通常運転なんだろうけど、
マーニーがなんとも!

ケイトと出会って、
日常が変わって、
それこそケイトに波長を合わせて。

けれど、
やはり、
ケイトはケイトのままで、

あくまで自分の見るものは変わってない。
たまたまそこにマーニーが現れただけ。

ケイトにはケイトのマーニーに対する想いがあるのだけど、
ふたりのその度合いに差があるものだから、
ちょっと辛い。

最後のふたりの視線、
哀しかった。

#08 マンガ肉と僕/杉野希妃



依存やら寄生やら。
そんなのわかりきったことで。
今更言葉にしなくても、絵にしなくてもと。

真正面の絵も発せられる言葉もなんだか説明すぎて、
感覚に落ちてこなかった。

2016年1月7日木曜日

#07 海街diary/是枝裕和





優しくて柔らかくて淡くて、
なんとも精神に優しい映画。

鎌倉の夏のじめっとした感じも、
緑の濃ゆいにおいも。

それはそれは素敵だけど、
素敵にそれらしく撮ったまでと言われればそれまで。

2016年1月6日水曜日

#06 白河夜船/若木 信吾




起きているときも、
ずっと眠っているのではないだろうか、
この人は。

ずっと眠っている割には、
部屋のベットはとても小さく(見える)て、
真っ白いファブリック。
ずっしりと深い眠りに入れるような寝床には見えなんだ。

#05 はじまりのうた/ジョン カーニー





音楽っていいね。
映画っていいね。

自分のなかのものを音楽に落とし込める人は、
生活が楽しそうだ。

キーラがこんなに歌がうまいなんてね。
そもそも俳優の人たちはみんな歌が上手い気がする。

歌を歌うときも、
その歌い方は演技なんだろうか、
何通りもの歌い方ができるもんなのだろうか。

2016年1月1日金曜日

#04 海を感じる時/安藤尋




違和感を感じたのは、
時代設定の割に俳優二人の現代人ぶりが抜け切れていなかったから?

今となっては、
大したネタにもならないだろうけど、
きっと原作当時にしてみたらショッキングなことなんだと思う。

その当時の現代にはない大人びた雰囲気とか、退廃感、
そんなものが感じられなかったのが惜しい。

#03 パーマネントバケーション/ジム ジョームッシュ





若人RPG。
さまよえど、迷えど、人に話しかけど、
結局答えはでなくて、
船に乗って旅に出る(逃げる)からのフェードアウト落ち。

その先に待っているのは、
理想であってほしいけれど、
まさか汗水垂らして働いているような現実は、
大抵この手の映画にはない。

現実ではないからこそいいのだろうけど、
そこが映画の残酷さ。

22歳くらいのときに観たかったな。

ラスト、
ロワーマンハッタンのWTCの2棟がそびえ立つシーン。
あらためてスカイライン大きな要素だったんだと。
他のビルディングに比べて外観の色味が薄いせいか、
亡霊のように見えてしまった。

それは映画にはない現実の残酷さであって。